JAXA 調布航空宇宙センター 所内一般公開

旧NALの一般公開に行ってきました。
去年は第1会場で、おなかいっぱい風洞を見たので、今回は第2会場を見学です。
第2会場は調布飛行場の隣にあるので、第1会場から構内バスで移動しました。

1 先進複合材料の研究

しまった。。先進複合材料の写真は無いです。。


写真はYS-11の翼を試験したもの。
以前、所沢航空博物館の格納庫見学の際に破壊試験したYS-11の輪切りを見かけましたが、同じように試験したものの様です。


こちらの写真は、所沢航空博物館のもの

2 静粛超音速技術の研究開発


航空機が超音速を出すと、必ず衝撃波が出る。エンジン音など、普通の音は距離があれば減衰するのですが、衝撃波はいくら高空を飛んでも地上に到達してしまうそうで、機体の形状を工夫して衝撃波の音が小さくなる研究をしていました。


どういう衝撃波の音なら許容範囲であるかを研究するための装置。左にスピーカーの様なものが付いていて、衝撃波を再現します。音がすると、外に居ても空気がビリビリしました。中では腹に来る音になるそうです。

6 実験用航空機


ビーチクラフト式65型機 1962年に導入された機体だそうですが、今でも現役で週1回程度飛行しているそうです。
ビーチクラフトは小型なのに富士山の倍程度の高度まで飛行できるとか。内部は与圧されていないので酸素(空気?)マスクを使用します。


ドルニエ式Do228-202 装置を追加して、フライバイワイアシステム(FBW)でで大型機や開発機の操縦特性を模擬できるそうです。
通常の飛行機は胴体が円や楕円ですが、この機体は、垂直になっています。この機体は予圧されていないので、特に円形でなくても問題ないし、貨物用などにも使われているので、円形では無い方が都合が良いからではとのこと。


MH2000A三菱の純国産民間ヘリ これはいろいろ実験機器を積んでいて、名前はMuPAL-ε


調布飛行場は道路の向こう側。どうするのかと思ったら、車が切れた瞬間に1〜2分道路を封鎖し、渡るとのこと。写真左はその時に使用する柵。右は飛行場につながる道路(誘導路になるの?)


ちゃんと、トーイング・トラクターを持っているんですね。

8 多軸振動非接触自動計測システム


ロボ。自動車工場の工業用ロボットみたいな装置の先端にレーザーで距離を測れる装置が付いています。
これで、右の写真の模型の飛行機の複数のポイントの距離を測ります。
模型飛行機は下から振動を与えられていて、振動によって機体がどのように歪むかを計測します。
従来の方法だとセンサをつけるのでその荷重の影響を受けたり、センサをいちいち付け替える必要があるので、時間が掛かったりするところ、10分程度で測定可能だそうです。
測定ポイントによって、振動による荷重が違うのでは?と思ったら、測定時には荷重の情報も一緒に測定するそうです。

9 レザー加熱方式二軸材料試験設備


通常引張試験をする材料はダンベル型試験片という二箇所を引っ張る形の試験片を使うのですが、この試験片は四箇所から引っ張るようになっています。
試験の対象は黒い中央部分。通常は、試験片の材料で全体を作成するのですが、この複合材料は高価なので中央部分だけで次具に接着しているとのこと。


これが、試験装置。上の方にレーザー加熱装置がついているそうで、使わない時はレールで手前に引き出します。
レーザー加熱すると、いろいろなガスがでるので地下には、ガスなどを無害化する装置などもあるそうです。

5 飛行シミュレータ


固定翼機のシミュレータ。操縦体験するためには、行列に並ばなくてはいけないので、内部の見学だけしました。


コックピットの後ろの方には模擬するための装置などが所狭しと並んでいました。


こちらは、回転翼のシミュレータ。
スクリーンが視界を覆う用になっているので、地面は全く揺れていないのに、ヘリの視界が曲がったりすると、自分も斜めになったような気がして台から落ちそうな錯覚にとらわれます。


操縦はできないのですが、シートに座ってみました。

5 VTOL無人機の研究


オスプレイみたいに、飛行機モード(写真左)とヘリモード(写真右)に切り替わります。
これは、実証の為の小型の試作品らしいです。ラジコンで操縦するのですが、まずは、ヘリラジコンの操縦の得意な人(大会の優勝者?)にお願いしたとのこと。
例えば、飛行機モードの時はエレベータ(昇降舵)で制御するし、ヘリモードの時はプロペラの回転で制御するなど、オペレータが混乱しないように、オペレータはピッチを上げるという操作をすれば良いような制御がされているそうです。あと、ジャイロなども積んでいるとのこと。
それでも、現在は好き者が操縦を楽しむ程度の操作性だとか(本当は誰でも出来るようにする必要あり)
まずは、こんなラジコン飛行機ヘリ模型売り出されたら楽しいかも、と思ったり。

通常模型飛行機は、発進するのに、長い滑走路やカタパルトが必要だったり、着陸にはネットによる回収やパラシュートの使用などが必要なため、ヘリモードはホバリングできる事意外にも有望なそうです。

3 高速衝撃波管


右の方のタンクに8〜10気圧の空気をため、バルブを一気に開放することで、エアソフトガンの要領でピストンを左の方の細い管の中を押し出して勢い良く空気を押し出します。


押し出された先は、一定の圧力になると裂けるように溝の入った金属プレートがあり、さらに空気は加圧されます。
一定圧力になると、プレートが裂け、さらに次の管の中の空気に圧力をかける事で最後には宇宙機が大気圏に突入する際の高温プラズマ状態が作れるそうです。
この試験機では、試験体を入れたりはしないで、圧力や中のガスの条件などを変え、状態を観測するとのこと。
加圧のガスにはヘリウムがよく使われるそうですが、これは、ヘリウムは軽いため加速がしやすい為とのこと。

4 2mx2m 低速風洞


風洞の中には入れました。しかも、風速23km/hの風が吹いている状態で。
寒かった。外に出たら電気ストーブがついていました。


空気が吸い込まれる側の一番奥。ネットが張られて、物が吸い込まれないようになっていました。


風洞の空気がやってくる側を覗いたところ。


吸込側の奥から入口を見たところ。

調布飛行場

帰り道に、調布飛行場を見物


丁度、ドルニエ機が降りてきました。
到着すると、整備の人や乗客の預け入れ荷物を回収する人などがわっと、やってきて、ほとんどはしごにも乗らずに作業してしまうあたり、のどかな感じです。
預け入れ荷物なども、台車の様なカゴに手で移し変えて手動でターミナルまで運んでいました。
ドルニエ機は19席、アイランダー機は9席ということで、本日は結構満席な感じでした。

大島まで片道9500円(往復17800円)1時間程度で着くそうで、日帰りで飛行機乗りに行っても楽しいかも。


左がカウンタで、正面が搭乗ゲート。下手なバス乗り場よりもこじんまりしています。


自動販売機の上にこっそり置かれた模型。
後ろのペットボトルでつくられたドルニエにはNALのロゴが入っていました(旅客用では無いらしい(笑))。