長沢浄水場

東京都水道局の浄水場のいくつかが施設見学をやっているとの事で、長沢浄水場と砧浄水場に行ってきました。


まずは、長沢浄水場。なぜか川崎市にあります。

ここでは、神奈川県にある相模湖の水を川崎市から買っているため、施設が川崎市にあるのです。敷居も川崎市浄水場の隣(川崎市浄水場の場所を借りているらしい)で、汚泥の処理などもお隣に依頼しているそうです。


見学はまずは、会議室でパワーポイントによる説明を受け、屋上から全景を見て、各施設を水の流れに沿って見学するという構成で1時間15分ほどの見学となりました。


屋上の様子。変な形のタイル貼りですが、たんなるデザイン上のものだそうです。建物の改修時に作ったとか。


屋上からの風景。フロック形成池(写真左)と配水池(写真右)です。


会議室のある建物の2Fには水質を検索する設備があります。


自動水質監視装置。金魚をカメラで監視して、異常があった場合自動でアラートを上げるそうです。原水と上水(金魚のために塩素は抜いてある)でチェックをしているのですが、原水の方が栄養状態が良いのか、大きく育つそうです。


マイクロストレーナー装置。相模湖の水を使用しているので、夏場には藻が繁殖し、ろ過装置が詰まったり、カビ臭くなったりするのを防ぐため、ドラムを回して藻を除去する装置です。東京ではここだけにある装置。
ドラムが回ることで、中にある原水に入っている藻類が持ち上げられて、回収されます。


外側が綺麗になった水。上から綺麗な水をかけて内側の藻類を落とします。


原水はアルカリ性なので、硫酸を使ってペイハーの調整を行います。
凝集剤としてポリ塩化アルミニウムを使用しているので、溶け出さないようなペイハーにする必要があります。


アルカリにする場合は水酸化ナトリウムなどを使用します。


粉末活性炭を投入する設備。臭気を取り除くために行います。活性炭はトラックで搬入して写真右の装置で受入します。


フロック形成池と薬品沈殿池


屋上から見えたやつです。
屋上から見て手前にあるのが、フロック形成池で凝集剤を入れてフロキュレーターで撹拌します。


スノコみたいな板がフロキュレーターです。


薬品沈殿池。二階層式構造だそうで、この写真が丁度折り返す辺り。水は透明なのですが、先程投入した活性炭の影響で、離れてみると黒い水に見えます。


沈殿物は水中内の装置(かき寄機)をで除去します。沈殿池として使用中でも、ゆっくり動かすことで掃除可能だそうです。


凝集剤を投入する装置。

急速ろ過池

普段は太陽光パネルの下にあるのですが、今日はこれを開いて、動かしているところをデモしてくれました。
通常は、上から下に向かって、砂や砂利を通すことで水をろ過します。
しかし、3〜4日使うと目詰まりしてしまうので、洗浄します。
洗浄は通常7分くらい行うそうですが、今日は3分ほどデモを。
最初に、撹拌機で砂を撹拌します。みるみる水が黒くなっていきます。
ひとしきり撹拌したら、次は下からきれいなな水を逆流させます。
写真は丁度逆流させているところ。茶色い枠無いに砂が入っていて、ここから、風呂の水があふれるように汚れた水が外に溢れでます。
あふれた水は原水と一緒にまた処理されます。

他の浄水場は土日とか平日でも見学会があったのですが、ここだけ土曜の4回のみ。もしかして、このデモができる回数が限られているからですか??


操作廊。有名な建築家の設計だそうで、この変な柱(水が湧き上がるイメージだとか)がポイントです。
この場所(この写真とは反対側が撮影に使われるらしい)は良く雑誌(ファッション誌)の撮影に使用されるとか。
他にも施設自体はウルトラマンとか仮面ライダーなどの撮影に使用されたそうです。


右の謎の柱は、貯水タンクで急速ろ過池の洗浄の際に、一気に流すのに使用するとか。


建物の表と裏側


守衛所もポイントな柱が使われています。


守衛所横のトラックの重量測定機(機と言っても見えるのは金属の床だけ)。内部で使用するいろいろな薬品を運ぶトラックの行きと帰りの重量を測るそうです。で、差分が内部に残った重量で、この分の費用を払います。